中央公園 西側芝生広場の芝生除去
中央公園芝生広場の芝生が除去されるのも直であるということをきき、
9月11日夕方、再び中央公園へ行った。
西側の樹木が残るエリアで、若い男女がバトミントンをしていた。
ここからぐるりと白いフェンスの周りを左回りに一周して歩いた
大田洋子「屍の街」より
フェンスの周りを歩いていると、散歩中とみられるおじさんが向こうからから歩いてきた。一本クスノキのあたりで芝生広場を見つめていた私に話しかけてきた。
「あっというま(の工事)じゃね。みんな言いよるよ。」
「これは、剥がされた芝生だって言ってました。そのうち運び出すって。」
私は、オレンジ色のフェンスの角に積まれていた枯れた芝と土の混ざった茶色い集積物を指さして言った。おじさんはどうやら信じられないようだったので、私は何度か同じ説明を繰り返した。ようやく合点いったのか、その変わり果てた芝生の様子に驚いていた。私は、こどもたちとよく遊んでいた愛着のある芝生広場が、こんなやり方で、あっという間に工事が進められていることに対して、やりきれない気持ちであることを伝えた。おじさんは、「それはさみしいことだ。」と同情した。
それから少し話をした。戦後、基町護岸のバラックに住んでおり、自転車で学校に通っていた。あの頃はよく火事が起こっていたという。私は、(散歩中らしきおじさんが、地元の基町の方かなと思ったので、)「地元の基町の人たちは、(スタジアム建設について)ほんとはどう思っているんですかね?」ときいてみた。話を聞いていると、近くに住んではいるが、今は基町ではなかった。サンフレッチェファンだという。コロナで計画が止まるかと思ったが、この光景をみて、むしろあっという間に進んでおり驚いていた。スポーツの力で、まちが元気になれば、と言っていた。「基町は死んでいる。」と言った。若い頃、基町に住んでいたおじさんは、サッカースタジアム建設でカフェやジムなどのお店もできれば夜も明るくなる、基町地域にも若い人が入ってきて賑わいが生まれれば、と。今のエディオンスタジアムの場所は静かでいいけど、70代の私にはチケットもスマホじゃとりづらいし、歩いていくあの道がつらいんだ、とも言っていた。
私は、なるほど、と思った。おじさんの思いは確かにどれも共感できる。戦後を基町のまさにこの場所で生き抜いてきたおじさんにとっては、基町が賑わうことで戦後からの復興を思い描いているのかも知れない。カープがかつて市民にとってそうであったように、コロナ禍の今、サンフレが盛り上がることで広島に元気をもたらしてくれると思っている。願っている。エディオンスタジアムのアクセスの不便さを解消して、足腰弱くなっても誰でも試合を見に行けるようになれば、と思っている。
なぜ、私は違和感を感じているのか
当事者抜きにしていろんなことが決まっていき進んでいる
公園は誰のもの?
一市民の声はなかったことのように
声なき声は届かない
こどもや自然が、未来のまちのまん中にいちゃだめなのかな
広島の人が想う
現在から繋がっていく
未来のまちの姿を知りたい